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サブはゴムの加工性を向上させる加工助剤です。
ゴム配合物のべたつきや収縮を防止する効果があります。
「サブ」という言葉は、「プレゼン」や「インフレ」と同様いわゆる外来語の和製略語です。外観がゴム類似の弾性体であり、天然ゴムが高価な時代にその代用品や増量剤としての役割があったことから、英国では「Rubber Substitutes」と名付けられましたが、その後日本では輸入→使用→生産と段階が進むに従い、単に発音しやすい「サブ」という共通の略称が定着してきたと考えられます。日本人にとっては単純で覚えやすい響きを持った言葉ですが、今や正式なゴム用語と認められておりJISやゴム辞典に収載されています。また、サブは「ファクチス(Factice)」とも呼ばれますが、これは「人造の、人工の」という意味を持った仏語由来の言葉であり、現在では世界共通語として使われています。よって弊社の英名表記にもこの用語を用いています。その他、「硫化植物油脂」又は単に「硫化油」という用語もありますが、これは主に米国で用いられている「Vulcanized Vegetable Oils」という言葉の訳語であり、サブの原料と製法を表しています。
200℃程度では融解しないため、コンパウンドの形状や寸法を保持し、収縮を防止します。
コンパウンドの加圧時にはファクチスの滑剤効果により流動性が改善され、押出しが容易に、また成形速度も速くなります。
三次元網目構造を有するため、液体配合剤(オイル・可塑剤等)を吸収し、コンパウンドのべたつき、ブリードを防止します。
ゴムベルト、ゴムホース、ゴム管、防振ゴム、ゴムロール、ブランケット、
ゴム板、ゴムパッキン類、ゴム電線、スポンジゴム、粘着テープ
履物、ゴム引布、ゴム手袋、糸ゴム、ゴムバンド、軟式テニスボール、ゴム字消し
潤滑油添加剤、樹脂用パージ剤、各種クリーナー
中世 | 亜麻仁油と硫黄を反応させて弾性のある樹脂状物質が作られる。 防腐作用を有するため外科用医薬として使われる。 |
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1839(天保10)年 | Goodyear(英)が熱加硫法を発明する。 |
1843(天保14)年 | Alexander Parkes(英)が冷加硫法を発明する。 |
1850(安政)年代 | Alexander Parkes(英)が白サブの製法で特許を取得する。 次いで、Bruce Warren(英)が黒サブを製造し、人造ゴム、ゴム代用品として使われる。 |
1900(明治後期)年代 | サブが輸入され始める。 内本工業所の内本平助氏が白サブの字消しを製造する。 |
1910(明治末期)年代 | 大阪、東京、神戸でサブの製造が広まり、その後昭和初期にかけて約20ほどの製造工場ができる。 |
1932(昭和7)年 | 日本護謨協会が発足する。 |
1935(昭和10)年 | 横井清一が天満サブス工場を創業する。 |
1943(昭和18)年 | 横井清一が天満サブ化工株式会社を設立する。 |
1959(昭和34)年 | 合成ゴムが国産化され、その加工性改善のためにサブが見直される。 |
1973(昭和48)年 | 追飛初雁氏(金子秀男氏のペンネーム)の総説「サブ談義」(大成社)が発行される。 |
JIS K 6200 ゴム-用語 3.2 配合剤に関する用語 d)加工及び加工助剤関係 番号2405
サブ(rubber substitute (deprecated))
加工助剤又はエキステンダとして用いる、不飽和油(植物油、魚油又は合成エステル)と硫黄又は塩化硫黄とを反応させて作られる固形配合剤。
注記:ファクチスともいう。
(一社)日本ゴム協会 編 ゴム用語辞典 第3版81頁 サブ rubber substitute, factice (別)ファクチス、硫化油
植物油に硫黄を添加して加硫するか、冷状態で塩化硫黄を加えて得られる加硫油。
硫黄を加えて加熱したものはかっ色(黒サブ)、塩化硫黄を加えて得られたものは白色ないし淡黄色を呈し(白サブ、あめサブ)、加硫を遅らせる傾向にある。軟化剤、加工助剤などの目的に使用。